「一生上書きしたくないくらい良かった」
フェスは一目惚れの聖地って言うけれど、
今年、初見で私のココロを撃ち抜いたのは、2日目のGYPSY AVALONに現れたRyu Matsuyama(リュウ マツヤマ)だった。
はじめてライブを見たのだけれど、うっかり私のフジロック2023ベストアクトになってしまった。
まさに青天の霹靂。これだからフジロックはやめられません。
ということで急遽ライブレポートをしたためます。
Ryu Matsuyama ライブレポート
記録的な暑さとなったフジロック2023。
出番は、照りつける太陽にやっと雲がかかり、木々の間から時折涼しい風が吹く気持ちの良い午後15:10。
向日葵に囲まれたGYPSY AVALONのステージです。
GYPSY AVALONは客席側が坂になっており、座って見れる&後方からでもステージが良く見えるのが嬉しい。
念入りにサウンドチェックを行った後、MCの前説からゆらりとステージに登場した3人。
どうやら本当は登場用のSEがあったらしいが、
「あ、SE忘れてた。…まいっか」となんともフランクな雰囲気。
はじまったのは、「Thinking Better」
一音目から、もう、すごい。
神聖な場所に居るかのように錯覚してしまうほど、透き通ったRyu(Vo/Pf)さんの歌声。
空気を割くように響く、Jacksonさんのドラムの音。
どっしりと苗場の大地を支えるTsuruさんのベース。
Spotifyで聞いてたはずなのに、生で体感すると別物にすら思えた。
「本物のミュージシャンだ」と、体が震えた。
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— FUJI ROCK FESTIVAL (@fujirock_jp) July 30, 2023
Ryu Matsuyama🎹✨
at GYPSY AVALON
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄@ryumatsuyama #RyuMatsuyama#fujirock #フジロック pic.twitter.com/Epq9lkuBUt
澄んだ水で満ちた湖に飛び込んだ時の、やわらかく心地の良い温度が体の周りを流れるような。
冷たい綺麗な水をごくごくと飲んだ時の、体温と混ざってちょうど良くなるような。
言葉にするのは難しいけれど、なんか、すごく、きもちいい。
なのに、なぜか泣いてしまいそう。
パフォーマンスが始まってから、遠雷がゴロゴロと聞こえてきて「雨乞いしちゃったかも」と笑いながら簡単な挨拶を。
日本で音楽活動をするようになって、いつかは出たいと思っていた音楽フェスへの出演。それが叶ったことを嬉しそうに語っていたのが印象的だった。
フジロックへの出演も初めてというのがなんだか不思議。そう思ってしまうほど、この土地の空気に馴染んでいた。
その後も時折り遠雷が鳴っていたけれど、
それさえもRyu Matsuyamaの音楽に混じると、“夏の午後らしいサウンド”を表現する役割を与えられたパーカッションのようだった。
2曲目の「Domus」は、ストリングスが入っている曲というイメージが強かったのだが、フジロックのステージではピアノ・トリオでの演奏。
それが余計に3人のスキルフルな音楽を余すことなく感じさせてくれたように思う。
3人のグルーブ感が自由で心地よくて、寝たくないのに寝てしまいそう。ジレンマ
心拍数に共鳴するようなミドルテンポの曲がなめらかに続き、フジロック2日目の疲労が溜まってきた体が軽くなっていく気がした。いい薬です。
会場をくるりと見渡すと、心地よさに目を閉じ揺れる人、流れた涙をそのままにステージを静かに見つめる人、
FIELD OF HEAVENからWHITE STAGEに移動する途中にふと足を止めてしまう人。
徐々に増えていく観客。
2022年にリリースしたアルバム「from here to there」の収録曲を中心に組まれたセットリスト(だと思う)。
音源ももちろん素敵なのだけれど、生で聴いた時の衝撃がとにかく大きかった。
音に感じる生命力と瑞々しさ。まさにライブ感。
これはなんというジャンルの音楽なのか?そんなものしらん。カテゴライズしなくてもいいんじゃないかと思う。
なかでも、“3年前に子供が生まれた時に作った曲”という紹介からはじまった「kid」は、私の心を掴むには十分すぎるパフォーマンスだった。
この曲はRyu(Vo/Pf)さんのソロパフォーマンスだったと思うのだが、AVALONに響くピアノとハイトーンボイスが自分の心音と重なっていく感覚。
私に子供はいないのですが、気付いたら我が子を思って泣いていた。(イマジナリー)
それと同時に、自分も幼いころはこんな風に“ありふれた日々でも新しいもので溢れていた”はずなのに、と。
過去の自分や、子供の頃の自分のことも愛してあげたくなるような、そんな音楽だった。
子供にやさしい世界であれ。
ラストは「yet」
“ドラマチック”という言葉がチープに聞こえるほどに、苗場の大自然の中で聴くこの曲は、壮大で、穏やかで、そして満ち足りていた。
FUJI ROCK FESTIVAL '23
— Ryu Matsuyama Info (@RyuMatsu_Info) July 29, 2023
ありがとうございました!
最高のステージでした!#フジロック #fujirock pic.twitter.com/r0NtgLskzb
セットリスト・プレイリスト
Twitter(Xって呼ぶべきか…)で「誰かセトリ教えてください…」と投稿したら、ファンの方が教えてくれて、
めちゃめちゃ親切~~~~嬉し~~~という気持ちになった。
後日公式からもセトリがツイートされたので、Spotifyでプレイリストにしてずっとリピートしている。
FUJI ROCK FESTIVAL '23
— Ryu Matsuyama Info (@RyuMatsu_Info) August 1, 2023
▼セットリスト
01 Thinking Better
02 Domus
03 In my head
04 Root,trunk,crown
05 snow
06 Heartbeat
07 blue blur
08 kid
09 hands
10 yet
photo by Takeyoshi Maruyama#フジロック #fujirock pic.twitter.com/yYaXr76fkA
M02.Domus
M03.In my head
M04.Roots, trunk, croen
M05.snow
M06.Heartbeat
M07.blue blur
M08.hands
M09.kid
M10.yet
M03.In my headはサブスクには入ってなかった。
ヨブンのコト
こんな素敵なアーティストに出会わせてくれてありがとうフジロック。
一曲目から…というか一音目を聞いた瞬間から「これはやばい」と思って、急遽五感を最大開放して音楽を浴びた。
なのでフジロック3日間の中で、この50分間の景色を一番覚えている。
とはいえ途中で気持ちよくなりすぎて「無」になってしまっていた。
後半の、hand・kid・yetの流れは良すぎましたね。一生上書きしたくないくらいよかった。
もうすでにワンマンライブに行きたい。
GYPSY AVALONもすごく合っていたけど、ピラミッドガーデンとかHEAVENも最高に合うな~~~と思いましたね。
朝霧や森道市場もぜったい合う。うわぁ~~~~~見たいな~~~~~~。
感覚的には奇妙礼太郎やエンヤを生で聴いた時のような心地よさ…なんだけどこの例えだと充分ではない。
11月には東京で2年ぶりとなるワンマンライブもあるそうなので行ける方は是非。
Ryu Matsuyama(リュウ マツヤマ)とは?
「ピアノスリーピースバンド」ソロアーティストかと思いきや、ボーカル/ピアノ・ドラム・ベースの3人で「Ryu Matsuyama」
はい。知りませんでした(すみません)。フジロックの公式プレイリストで聴いて「好きかも」と思って、
最新ALBUMをつるっと聴いて「これは一回ライブ見てみたいな」と思って足を運んだGYPSY AVALON。
あの時の自分、よくやった大正解だ。
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